IPOとは、「Initial(最初の)、Public(公開の)、Offering(売出)」の略で、未上場の株式が初めて証券取引所に上場することをいいます。
IPOの株式は、上場する前に一定期間申込期間が設けられています。どの証券会社でも買えるわけではなく、取扱証券会社で申込期間中に申込、抽選にかけられた後当選すると購入できます。
IPOを申込すると必ず抽選があり、当選しないと買えません。抽選になるほど人気である理由は、IPOを申し込んで当選して購入した株を「初値」で売却すると売却益を得られるからです。
IPOの株は、まだ上場していないため当選して購入できても上場するまで売却できず、上場日から売却可能となっています。
上場して初めて付く値段を初値といいますが、上場日の市場が始まる時間(9:00)又は前日に成行注文を出しておくと初値で売却できます。
IPOに当選して購入した価格を「公募価格」といい、初値がこの公募価格を上回ると利益となり、逆に下回ると損となります。
利益又は損失=(初値−公募価格)×当選株数
IPOは初値で売ると売却益が得られるので人気なのですが、初値が公募価格を下回れば損をしてしまいます。実際に、IPOは本当に利益が出るのでしょうか。
キャプション | ||
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年 | IPO上場企業数 | 初値が公募価格を上回った確率 |
2018年 | 90社 | 89% |
2017年 | 90社 | 91% |
2016年 | 83社 | 81% |
2015年 | 92社 | 89% |
2014年 | 77社 | 77% |
2013年 | 54社 | 96% |
2013年~2018年にかけて8、9割のIPOで、初値が公募価格を上回っており、当選すれば売却益を得られています。また、2018年の90社のうち5社が1銘柄で100万円以上の売却益が出ています。
なぜIPOが上場したときの初値がこのように上がるのかというと、IPOは上場して間もなくは価格が落ち着かず値動きが大きくなることと、IPOの公募価格が割安だからです。
IPOは、未上場で過去の株価や過去の業績など情報が不足しているため、投資家の投資意欲を喚起する目的で、公募価格を同業他社に比べて割安に設定しています。
また、未上場の株で過去の株価情報がないため、上場したばかりは株価が不安定で値幅が大きくなるので、その利ざやを取る目的もあり、初値で買おうとする投資家が多いため初値は上がりやすくなっています。
したがって、一般には利益はリスクと相対していますが、IPOについて言えばローリスクハイリターンで投資をすることができます。
IPOは、1.ブックビルディング期間(申込期間)→2.当選確認・購入意思表示期間→3.上場・初値で売却という流れで進みます。
1.ブックビルディング期間中に、【申込株数】と【価格】を入力して申し込む
証券会社により入金タイミングは異なるが、通常は事前に申込株数×価格分を入金しておきます。
価格は、仮条件価格の範囲内で指値ができますが、公募価格が指値した価格より上回ると抽選で外されるため、上限価格もしくはどの価格に決まっても買うという成行(ストライクプライス)で申込すると良いでしょう。
2.抽選結果確認後、購入申込
抽選結果が出て当選した場合、購入意思表示期限までに【購入】又は【辞退】の手続きをします。
意思表示をしなかった場合は無効となるため、忘れずに購入手続をしましょう。
3.上場日に初値で売却
IPOは上場日から売買できるようになりますが、上場した後で注文をしてしまうと初値で売却できません。したがって、上場日の9:00前には注文を出しておく必要があります。
SBI証券の場合は、上場日の朝の午前4:00から注文が可能で、上場日の前の日が土日祝などの非営業日のときは全営業日の翌日の午前3:30以降に注文が可能です。
例えば、上場日が月曜日だとすると土曜日の午前3:30以降から注文が出せます。
また、注文を出す方法は、どの価格でも売るという「成行」売り注文を出しておくと初値で売却できます。
ときには、買い注文が殺到して値幅制限の上限になっても注文成立しないことがあります。
その日には初値が付かないため、翌日も成行売り注文を忘れずに出しておきましょう。
ローリスクハイリターンの魅力ある投資であるIPOですが、当選しないと購入できないため、当選できるかどうかが非常に重要となってきます。
IPOの抽選は各証券会社でそれぞれ抽選方法が異なり、具体的には「完全平等抽選方式」、「平等抽選」、「ステージ制」、「ポイント抽選」があり、抽選方法を理解した上で申込することで当選確率が上がります。
・完全平等抽選方式
1人1口で抽選される方式で、資金力によって当選確率が変わることがありません。
・平等抽選方式(資金力に応じた抽選)
1単元(100株)あたり1口として抽選され、資金力がある方に有利となる抽選方式です。
例えば、この抽選方式でAさん100株、Bさん1,000株で同じIPOに申し込んだ場合、Aさんは1口、Bさんは10口とBさんの口数はAさんの10倍になります。
したがって、たくさんの株数を申し込んだ人が当選しやすく、抽選には事前入金が必要なため資金力がある人が有利になります。
・ステージ制
過去の取引手数料実績や投信預かり残高によってステージが分けられ、ステージの高い人ほど有利に当選する仕組みです。
投資信託を大きな資金で預けている人や普段株式取引などで証券会社に手数料を多く支払っている人に有利な制度です。
・ポイント制
抽選1回ごとに落選すると1ポイント受け取れ、そのポイントが高い人から順にIPOが配分される制度です。
ポイントをたくさん貯めれば、いつか必ず当選することができる制度です。
資金力・取引量・IPOにこまめに申込できるかどうかなど、自分に合った抽選方法を行なっている証券会社でIPOを申し込むと当選しやすくなります。さらに、当選確率を上げるための方法をご紹介します。
抽選方法よりさらに重要なのは、抽選する上でのパイを増やすことと抽選回数を増やすことです。
その方法とは、主幹事証券会社でIPO申し込むことと、同じIPOでも1社だけではなく数社に申し込むことです。
1.主幹事証券を選ぶ
IPOの取扱は、シンジケート団といって数社の証券会社が協力して引受しています。
その中でも、中心的な役割担う「主幹事証券」は上場する会社の上場準備から上場後のサポートまでメインで行い、引受株数も大部分を占めます。
つまり、主幹事証券で申し込めば、抽選される株数がたくさんあるので当選しやすくなるのです。
証券会社主幹事数 | |||
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2018年 | 2017年 | 2016年 | |
SBI証券 | 11社 | 8社 | 13社 |
マネックス証券 | 0社 | 1社 | 0社 |
楽天証券 | 0社 | 0社 | 0社 |
東海東京証券 | 1社 | 3社 | 5社 |
野村証券 | 23社 | 27社 | 18社 |
主幹事数は野村証券が1番多く、主要ネット専業証券ではSBI証券が1番多くなっています。
野村証券は、対面営業チャンネルがありネットによる抽選比率は全体の10%以上となっており(野村證券 「募集等に係る株式等の販売に関する基本方針」より)、それ以外のIPOの個人向け配分は対面営業チャンネルのお得意様に配分されます。
一方、ネット専業証券はほとんどがネット抽選で配分され、SBI証券のIPO配分の45%は個人向け配分でその中の70%はネット抽選で残り30%はチャレンジポイント配分となっています。
そのため、抽選のパイを増やすためにはSBI証券での主幹事IPOがおすすめです。
2.抽選の時間差を利用する
証券会社各社で抽選時期が異なり、抽選時期が早い「前期型」と抽選時期が遅い「後期型」があり、この両方の時期の証券口座を保有していれば、1つの資金で2回抽選を受けることができます。
・前期型(SBI証券、マネックス証券)
入金・申込→抽選→落選資金開放
・後期型(カブドットコム証券、楽天証券、松井証券、岡三オンライン
)
入金不要もしくは株などの預かり資産内であれば入金なしで申込→購入申込→抽選
例えば2019年3月19日上場のミンカブ・ジ・インフォノイドは前期型のSBI証券と後期型の楽天証券が取扱しています。
SBI証券では、抽選日の3月8日18時までに着金している必要があり、楽天証券では株などの預かり資産があれば購入申込の3月14日14時までに入金すれば抽選されます。
そして、SBI証券の抽選で3月8日18時以降に落選が判明すれば資金が開放されるので、楽天証券の3月14日までに着金・購入申込手続をすれば、楽天証券でも抽選に参加することができます。
このようにSBI証券に3月8日までに着金→抽選・開放→楽天証券に3月14日までに着金・抽選と同じ資金で2回抽選に参加することができます。
各証券会社IPO実績と抽選方式 | |||
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2018年IPO取扱銘柄数 | 2018年IPO取扱銘柄数株式取引手数料(~10万円) | 抽選方式 | |
SBI証券 | 83社 | 99円 | 45%がネット配分で70%が平等抽選方式(資金力に応じた抽選)、30%がポイント制 |
マネックス証券 | 49社 | 110円 | 完全平等抽選方式 |
楽天証券 | 7社 | 99円 | 平等抽選方式(資金力に応じた抽選) |
東海東京証券 | 11社 | 1,650円 | 10%完全抽選方式、90%ステージ制(引受株数が2,000株未満の場合全てステージ制) |
野村證券 | 40社 | 152円 | ネット抽選10%以上完全平等抽選 |
IPO取扱銘柄数、株式取引手数料、抽選方式を比較すればSBI証券がIPO取引でおすすめの証券会社です。
IPOは申込時には手数料がかかりませんが、売却には株式取引手数料がかかります。
したがって、売却利益を少しでも高く上げるためには株式取引手数料が安いところで申し込むのがおすすめです。
SBI証券の株式売買手数料は主要ネット証券の中でも、最低水準の手数料のため格安で、IPOを売却できます。
SBI証券の2018年IPOは、83社の取扱をしました。
2018年の全上場数が90社でREITを含むと86社の取扱、95%をSBI証券が取扱したことから、SBI証券に証券口座を保有していれば、自分の証券口座で欲しいIPOの取扱がないという心配がほとんどありません。
さらに、SBI証券のIPO取扱のうち11社をSBI証券が主幹事をつとめました。
2018年SBI証券主幹事IPO | ||||
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上場日 | 銘柄コード | 銘柄名 | 上場市場 | 100株あたりの初値での売却益 |
3/27 | 6572 | RPA HD | 東証マザーズ | 1,071,000円 |
4/27 | 6578 | エヌリンクス | JASDAQスタンダード | 197,000円 |
6/22 | 6580 | ライトアップ | 東証マザーズ | 90,500円 |
6/27 | 4388 | エーアイ | 東証マザーズ | 250,000円 |
7/25 | 3491 | GA technologies | 東証マザーズ | 327,000円 |
7/26 | 4394 | エクスモーション | 東証マザーズ | 166,000円 |
9/13 | 3494 | マリオン | JASDAQスタンダード | 142,000円 |
10/30 | 4422 | VALUENEX | 東証マザーズ | 246,000円 |
12/11 | 7044 | ピアラ | 東証マザーズ | 248,000円 |
12/19 | 9434 | 9434ソフトバンク | 東証一部 | -3,700円 |
12/25 | 4428 | リンク | 東証マザーズ | 404,000円 |
SBI証券の主幹事案件は、東証マザーズのように新興市場に上場する中小型のIPOが多いのが特徴で、大手の野村證券は大型のIPOが多いのが特徴です。
中小型案件は売出株数が少ないため、初値で売却しようとする株数が少なく、買い注文が多いと大きく上がる可能性が高いです。
そのため、SBI証券主幹事のIPO銘柄は大きな売却益が得られやすいのです。
SBI証券のIPOの配分の70%が資金力に応じたネット抽選と残り30%がチャレンジポイント配分です。
70%ネット抽選部分は、IPOに預けておける資金があれば、出来るだけ多くの株数を申し込んだ方は有利になります。
そこで、抽選に外れると銘柄ごとにチャレンジポイントが1ポイント受け取れます。
チャレンジポイントは銘柄ごとに1ポイント受け取れるため、チャレンジポイントについては株数をたくさん申し込んだ方も、100株しか申し込みしてない方でも同じ1ポイントが受け取れます。
したがって、チャレンジポイントをたくさん貯めるコツは、できるだけたくさんの銘柄に申し込みすることです。
SBI証券のIPOは証券会社の中でもNo.1の銘柄数を取扱しており、2018年の全上場銘柄の95%を取扱しているので、たくさん申込する機会はたくさんあります。
チャレンジポイント配分はチャレンジポイントが多い方から順に配分されるので、普段はIPO銘柄にたくさん申し込み、SBI証券主幹事のIPOにチャレンジポイントを利用して抽選に望むのがおすすめです。
SBI証券主幹事IPOは、大きく値上がりする可能性が高いので、そこでチャレンジポイントを利用して配分を有利にすすめましょう。
口座開設数最多の大人気ネット証券会社。
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投資信託本数※ |
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100円~ |
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スマホで取引 |
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現物取引手数料 |
0円~ |
IPO件数 |
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特徴 |
豊富な取扱本数とIPO件数 |