NISA、つみたてNISA、iDeCoの違いを理解する5つのポイント
NISA、つみたてNISA、iDeCoは有利に投資を行うことができる個人向けの制度です。
それぞれの違いを理解し、最も自分に向いている口座で取引をしましょう。
NISA | つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|---|
非課税枠(年間) | 120万円 | 40万円 | 最大81.6万円 (属性により) |
運用期間 | 5年 | 20年 | 最長70歳まで |
運用開始期限 | 2023年 | 2037年 | ー |
投資可能商品 | 国内株式 投資信託 外国株式など (数千銘柄) |
一部の投資信託(約180銘柄) | 一部の投資信託(約30銘柄) |
所得控除 | ![]() |
![]() |
![]() 全額可 |
運用益非課税 | ![]() |
![]() |
![]() 受取額、受け取り方法による |
資金の引き出し制限 | ![]() なし |
![]() なし |
![]() 原則60歳まで不可 |
おすすめ口座 |
NISAとは、通常株式や投資信託に投資した際に得られる配当金・分配金や売却益に対して20.315%の税金(所得税・住民税・特別復興 所得税)がかかりますが、その税金が非課税になる制度です。
年間120万円まで買い付けを行うことができます。
発生した利益には通常20.315%の税金がかかりますが、NISAならそれが非課税になります。
50万円の利益が発生した場合 | ||
---|---|---|
つみたてNISAの場合 | 一般口座の場合 | |
利益 | 50万円 |
|
税率 | 0% | 20.315% |
税金額 | 0円 | 101,575円 |
投資後5年間の配当や値上がり益は非課税となります。
5年で売らなければならないわけでなく、5年経った時点で通常の口座へ移され、売らなかったために損をすることはありません。
NISAで運用できるのは、「国内外の株式」「投資信託」です。
株式が運用できる非課税制度はNISAのみです。
いつでも保有している株式や投資信託を売却して資金を引き出すことができます。
NISAとつみたてNISAは併用することができません。
つみたてNISAとの切り替えは年に1回のみ行うことができます。
つみたてNISAはNISAと同様、利益に対して非課税になる制度です。
ただし、投資できるのは金融庁が定めた約160銘柄の投資信託のみとなります。
投資先が少ないからと言って劣っているわけではなく、投資家にとって有利な条件の投資信託を厳選されています。(手数料、運用実績など)
そのため、つみたてNISAは投資経験の有無を問わず気軽に始めることができる制度となっています。
年間40万円まで買い付けを行うことができます。
発生した利益には通常20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAでもそれが非課税になります。
50万円の利益が発生した場合 | ||
---|---|---|
つみたてNISAの場合 | 一般口座の場合 | |
利益 | 50万円 |
|
税率 | 0% | 20.315% |
税金額 | 0円 | 101,575円 |
つみたてNISAは20年もの長期間非課税で運用することができます。
その間に得た配当、値上がり益が非課税になります。
投資信託は玉石混交です。そのため、初心者でも優良な投資信託を選べるよう金融庁が定めた条件を満たす投資信託のみ、つみたてNISAで運用することができます。
銘柄数は約160です。
NISAと同様にいつでも保有している投資信託を売却して資金を引き出すことができます。
NISAとつみたてNISAは併用することができません。
NISAとの切り替えは年に1回のみ行うことができます。
iDeCoはNISA、つみたてNISAと同様に運用益が非課税になるだけでなく、所得控除のメリットも享受することができます。特徴を確認してみましょう。
iDeCoの最も大きなメリットが所得控除の対象であることです。
具体的にどのくらい節税できるのかを年収400万円の方を例に確認してみましょう。
年収400万円の方の掛け金別節税額 | |
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年間の掛け金 | 年間の節税額 |
816,000円 | 122,400円 |
276,000円 | 41,400円 |
240,000円 | 36,000円 |
144,000円 | 21,600円 |
iDeCoの掛け金の上限は属性(自営業、会社員など)で決まります。
属性 | 掛け金の上限(年) |
---|---|
自営業 | 816,000円 |
専業主婦(夫) | 276,000円 |
公務員 | 144,000円 |
会社員(企業型DCなし) | 276,000円 |
会社員(企業型DCのみあり) | 240,000円 |
会社員(企業年金加入(DB)) | 144,000円 |
NISAやつみたてNISAと異なり、運用可能年数は運用者の年齢によって決まります。
例えば、30歳の方がiDeCoを始めた場合は70歳までの40年間が非課税で運用できます。
非課税制度で唯一元本確保型(定期預金等)を選択できます。
銘柄数は5~35程度です。(例外の口座あり)
iDeCoは運用するために毎月手数料を支払う必要があります。
手数料は口座にもよりますが、171円~(月)です。
iDeCo手数料 | |||
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支払先 | 国民年金基金連合会 | 事務委託先金融機関 | 運営管理機関手数料 |
加入者(掛金拠出) | 2,829円(初回のみ) 105円(月額、税込) |
66円(月額、税込) | 金融機関によって異なる |
iDeCoで運用している資金は原則60歳以上にならないと引き出すことができません。
引き出す場合は一時金または年金として受け取ります。(どちらも所得控除あり)
30年勤続の方の税金がかからない上限額 | |
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一時金で受け取り | 年金で受け取り |
退職所得と合わせて 1,500万円まで |
公的年金と合わせて 120万円まで(65歳未満の場合年70万円まで) |
NISA+つみたてNISAの組み合わせは併用できませんが、「iDeCo+NISA」もしくは「iDeCo+つみたてNISA」の組み合わせは併用ができます。
使わないと損な制度ですので資金に余裕がある方はぜひ併用するべきです。
NISA、つみたてNISA、iDeCo比較 | |||
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一般NISA | つみたてNISA | iDeCo | |
年間投資限度額 | 120万円 | 40万円 | 14万4,000円~81万6,000円 (年金の種類による) |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 月額5,000円 |
運用期間 | 最長5年間 | 最長20年間 | 60歳まで |
利用可能年齢 | 20歳~ | 20歳~ | 20歳~65歳 |
投資可能商品 | 国内株式 外国株式 投資信託 ETF、REITなど (合計数千銘柄) |
金融庁指定の投資信託 (合計約160銘柄) |
iDeCo用の投資信託、預金、保険 (合計約30銘柄) |
資金の引出し制限 | なし | なし | 60歳まで引出不可 (60歳時点で運用期間が10年未満の場合は10年間引出し不可) |
非課税対象 | 運用益 | 運用益 | 運用益、掛金が全額所得控除 |
3つの非課税制度をそれぞれ比較しましたが、あなたにはどの制度が向いているのでしょうか?
チェックポイントで確認してみましょう。
NISAに向いている人
NISAは年間120万円の投資枠があり、非課税制度の中で最も大きな金額を非課税で投資できます。
つみたてNISAの投資枠の上限は40万円なのでそれを超えて投資できる方はNISAのほうがお得といえるでしょう。
また、国内株式の個別銘柄へ投資が可能なので、非課税で配当金や株主優待を受け取ることもできます。
NISAに向いていない人
NISAは年間120万円までの投資が可能です。しかし、運用期間が5年と、つみたてNISAと比較し短いです。
年間40万円以上投資できる方でないとNISAの投資可能枠を無駄にしてしまうので、つみたてNISAを選択したほうがお得といえるでしょう。
また、NISAはほぼすべての投資信託、国内株式と一部の海外株式に投資できます。
そのため、自分で選択し運用する知識が必要になります。
NISA口座開設数※1 | 約385万口座 |
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投資信託取扱い数※2 | 2,634本 |
つみたてNISA取扱い商品数※3 | 192本 |
ジュニアNISAで外国株取引 | × |
最低積立金額 | 100円 |
NISAでのポイント投資 | ◎ |
つみたてスタイル | |
毎月、毎週、毎日から選択可能 |
手数料(取引ごと) | ||||
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10万円まで | 20万円まで | 30万円まで | 50万円まで | 100万円まで |
99円 | 115円 | 275円 | 275円 | 535円 |
つみたてNISAに向いている人
つみたてNISAでは金融庁が指定した条件に合致した優良な投資信託へのみ投資ができます。
そのため、投資経験がない方でも始めやすいでしょう。
NISAの運用期間が5年なのに対してつみたてNISAは20年と長期運用が可能なので、複利で利益を大きく伸ばすことも可能です。
つみたてNISAに向いていない人
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。
これを超えた分は通常の口座で買付したものとされ20.315%の税金が課税されます。
年間40万円以上投資したい方はNISAがおすすめです。
また、つみたてNISAで投資ができるのは一部の投資信託に限られます。個別の株式へ投資し、株主優待を得たい方はつみたてNISAでは行うことができないので、NISAがおすすめです。
iDeCoに向いている人
iDeCoは掛け金が全額所得控除となるので、収入があり住民税、所得税を納めている方ならだれでも納税額を減らすことができます。
そのため、上記の向いている人の条件に当てはまるのならNISAや、つみたてNISAを始める前にiDeCoを始めたほうが良いでしょう。
もちろん、iDeCoの掛け金を超えて投資する余裕がある方はiDeCoに加えてNISAやつみたてNISAを始めることができるので、併用するとより大きなメリットを享受できます。
iDeCoに向いていない人
iDeCoでは一度拠出した資金は原則60歳まで引き出すことができません。
また、収入がない方でもiDeCoへ加入できますが、所得控除ができないのでメリットを最大限享受することはできません。このような方はつみたてNISAを選択するとよいでしょう。
さらに、毎月手数料が171円かかるので拠出額が少ない方は手数料が利益を上回ってしまい資金が目減りしていくことになります。
そのため、iDeCoでは継続して掛け金を拠出できることが理想です。
NISAとつみたてNISAの併用はできません。税制メリットを最大限活用するなら【つみたてNISA+iDeCo】です。もしつみたてNISAの年間投資金額40万円より大きく投資したい場合は、【NISA+NISA終了後つみたてNISA+iDeCo】です。
新NISAは2028年に終了しますが、最大5年間の非課税期間を使うと、120万円×5年=600万円の非課税枠となります。
つみたてNISAは2056年まで投資できるため40万円×20年=800万円の非課税で最長20年間非課税期間があるので、つみたてNISAの方が税制メリット は大きくなります。しかし、1年の投資金額が40万円までのため、5年以内の売却を考え投資金額が大きい場合は、現行NISAが終了する2023年までNISAで運用してその後つみたてNISAにすると良いでしょう。
つみたてNISAとiDeCoを併用すると、どのくらいの金額が積立できるのでしょうか。
例として公務員の方がつみたてNISA、iDeCoを利用して年利5%で運用できた場合を見てみましょう。
つみたてNISAとiDeCoの最終積立金 | |||
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つみたてNISAのみ (年利5%) |
iDeCoのみ (年利5%) |
つみたてNISA +iDeCo | |
毎月の投資金額 | 33,333円 | 12,000円 | 45,333円 |
10年後 | 5,176,017円 | 1,863,382円 | 7,039,399円 |
20年後 | 13,700,974円 | 4,932,394円 | 18,633,368円 |
30年後 | 27,741,662円 | 9,987,087円 | 37,728,749円 |
なんと月45,333円を積み立てると30年後には約3,800万円にもなります。利益を再投資することでさらに利益が増える「複利」によるもので、投資期間が長いほど効果が大きくなります。
この積立金以外にも、iDeCoの拠出金月1.2万円×12ヶ月=14.4万円が所得控除でき、所得税・住民税を軽減できるメリットがあります。
取引手数料が最安水準の証券会社。
楽天ポイントを1ポイント1円として投資をすることも可能!
さらに、手数料から1%の楽天ポイントがキャッシュバックされるなど、手数料を徹底的に抑えたい方に最適な口座になっています。
投資信託本数 |
2,634本 |
---|---|
つみたてNISA商品数 |
190本 |
最低積立金額 |
100円~ |
ポイント投資 |
◎ |
スマホで取引 |
〇 |
ジュニアNISA |
○ |
現物取引手数料 |
0円~ |
IPO件数 |
65件 |
特徴 |
投資で楽天ポイントが貯まる、使える! |