立会外分売なら割引価格で株が買えるって本当?6つのメリット・デメリット。2019年の立会外分売は勝率80%以上
立会外分売って何?
通常株式取引は証券取引所を通して売買されています。
立会外分売(たちあいがいぶんばい)は、証券取引所を通さずに株式を売買することをいいます。証券取引所は9:00~11:3012:30~15:00の間に取引されていますが、この取引時間外に立会外分売は行われます。
株式はもともと大株主が持っていた株式を個人株主に売却します。
もう一つ個人株主が立会外で株を購入する方法として、PO(公募増資)がありますが、この場合は会社が持っている自己株式または新株を発行し、個人株主に募集して購入してもらいます。
POの場合には発行済株式数が増えるため1株あたりの価値が下がりますが、立会外分売の場合はもともと大株主が保有していた株式を売却するため、発行済株式数は増えず1株あたりの価値は下がりません。
ただ、大株主が持っていた固定株が市場に出回り、売却されることもあるため、株価への売り圧力となる可能性があります。そこで、その立会外分売をされた目的も重要となります 。
立会外分売の目的としては、主に3つあります。
1.市場変更基準を満たすため
新興企業が東証一部に変われば、知名度や企業への信頼価値も上がります。
例えば、東証マザーズの企業が成長して東証一部へ市場変更したいと考えるときに、東証一部市場変更基準を満たす必要があります。マザーズから東証一部への変更基準には株主数が2,200人いること、流通株式数2万単位以上などがあります。そのため、株主数を2,200人以上にするために立会外分売で大株主(1人)から個人投資家の大勢に分売することで東証一部への変更基準を満たすことができます。
2.流動性の確保
大株主が固定株として持っている分は売買されないため、市場に出回る株数が少ない場合株取引は成立しづらいことがあります。
株取引が成立していないと一定方向に株価が動いてしまったり、売買したい人が約定させることができなかったりします。そんな流動性の問題を解決するため、大株主から大勢の個人株主に分売することで市場に出回る株が増え流動性を確保することができます。
3.大株株主自体の理由
大株主の資金確保、株式を関係会社で持ち合う持ち合い株の解消など大株主自体の理由により分売が行われることもあります。
上記のような目的のため、立会外分売が行われます。特に1の市場変更基準を満たすための立会外分売はそもそも市場が格上げすることだけでも株価が上がる可能性が高いため、立会外分売で大きく売却利益を得られる可能性がある目的になります。
立会外分売は大株主が市場で一度に大量売却すると株価が大幅に下げてしまうなど株価の価格形成に支障が生じる可能性があるため、立会外で分売されます。
このように、株式を発行している会社や保有している大株主の都合により分売される訳ですが、一方で買う側の個人投資家にもメリットがあるように分売されます。
投資家の6つのメリット・デメリット
立会外分売は常に行われているわけではなく、随時立会外分売を委託されている証券会社で申し込むことにより購入することができます。POの場合は申し込んでからしばらく売却できませんが、立会外分売は買えるかどうかすぐにわかり、かつすぐに売却することができます。
■メリット
1.割引価格で購入できる
PO同様、ある日の終値の○%割引の価格で購入することができます。
2.購入手数料が無料
PO同様購入手数料無料で購入することができます。
3.すぐに売買できる
POは募集期間が1週間程度設けられ、申込み、当選後さらに数日後にやっと売却可能になります。
一方、立会外分売は>立会終了(15:00)以降の18時から次の立会(9:00)前の8:00までの間というように申込時間が14時間程度とかなり限られた時間となります。その分すぐに当選がわかり、翌営業日または当日から売却することができます。
4.知名度が低いので穴場
IPOやPOはよく知られており申込者数が多くなっていますが、立会外分売は広くは知られておらず、申込期間が短いため、立会外分売の情報さえ知っていれば当選する確率は高いかもしれません。
■デメリット
5.当選しない可能性がある
申込者が多い場合抽選となるため、市場の指定替え目的の立会外分売など外れてしまう可能性もあります。
6.元本割れの可能性がある
立会外分売の目的が大株主の資金調達目的などの理由、相場が下落など売却可能となったときに購入価格を下回ることもあります。これは株式投資のリスクとしても同じことがいえます。
まずは、立会外分売をする目的を確認して、市場昇格目的や流動性確保なら買い、大株主の資金需要目的であれば要検討すると良いでしょう。
立会外分売って儲かる?過去2年のデータを分析
<立会外分売過去2年のデータ>(年/件数/勝率/平均騰落率)
年 | 件数 | 勝率 | 平均騰落率 |
---|---|---|---|
2019年 | 33件 | 85.29% | +1.69% |
2020年 | 102件 | 69.60% | +1.35% |
2019年と2020年の立会外分売の結果を見ると、上記の結果になります。
2019年では勝率が8割にのぼりほぼ儲かっているといえるでしょう。
前日の終値から割引きされているため、当日横ばいでも儲かるといえるので、かなり勝率の高い投資になります。
売って儲かった・損したTOP3
ここでは2019年を例にとって、平均のデータではなく、騰落率の最大値・最小値はどれくらいなのかを見ていきましょう。
<立会外分売上昇率ランキング>
順位 | 銘柄名(銘柄コード) | 分売価格 | 当日騰落率 |
---|---|---|---|
1位 | ディーエムオス(9782) | 1911円 | +7.8% |
2位 | オールアバウト(2454) | 663円 | +7.1% |
3位 | GameWith(6552) | 1142円 | +6.0% |
立会外分売はIPOに比べると2桁を超すような大きな儲けは期待できないようです。
IPOは同業他社よりもかなり割安で、成長性のある銘柄が上場するので、期待もあってかなり高い値段で付くことがありますが、立会分売はすでに出回っている株式が少し割引されて売却されるため、大きな利益にはつながらないようです。
ただ、前日終値から割引された買付価格で手数料無料で購入できるので、少しディスカウントされた分は確実に利益になります。
また、IPOが大きな儲けを期待できる分人気でなかなか当選できないのに対して、募集株数は少ないもののあまり知られておらず、少しの利益しか得られない立会外分売は穴場で当選する可能性がぐっと高くなります。
<立会外分売下落率ランキング>
順位 | 銘柄名(銘柄コード) | 分売価格 | 当日騰落率 |
---|---|---|---|
1位 | 日本高度紙工業(3891) | 1131円 | -2.9% |
2位 | ヤマシタヘルスケアホールディングス(9265) | 1158円 | -2.1% |
3位 | MS-Japan(6539) | 1462円 | -2.1% |
当日すぐ売却するなら最大8%近くの売却益が得られるのに対して、損をしても最大3%近くの損失です。また、ほぼ8割近い銘柄がプラスになっています。
POに比べると募集株数が少ないことから、売り圧力はそこまで大きくないため、下がったとしても2%程度ということがいえます。
立会外分売ができる証券会社4社
取引金額 | 10万円 | 20万円 | NISA口座 | 注文可能時間 | 立会分売株抽選結果発表時間 |
---|---|---|---|---|---|
松井証券 | 無料 | 無料 | 無料 | 17:00~実施日8:30まで(2:00~3:00 5:30~6:00を除く) | 実施日9:00まで |
SBI証券 | 99円 | 115円 | 無料 | 18:00~実施日8:20まで | 実施日9:00前後 |
楽天証券 | 99円 | 115円 | 無料 | 17:15~実施日8:20まで | 実施日9:00以降 |
マネックス証券 | 99円 | 115円 | 無料 | 夕方~実施日8:20まで (3:00~5:00を除く) | 実施日9:00~9:30 |
松井証券の立会外分売は17時から8:30まで申込み可能で、申込みできる時間が一番長くなっています。そして、抽選結果も9:00までに判明し口座に反映され、証券取引所の寄付までに売却注文を出すことができるため、誰よりも一番に売却注文を出すことができます(市場が札幌や福岡の場合送れることもあります)。
立会外分売は購入時には取引手数料がかかりませんが、売却時には手数料がかかります。
1日あたりの約定金額が50万円以下の株式取引手数料が無料で、さらにNISA口座なら取引金額にかかわらず取引手数料が無料になります。
松井証券で立会外分売する魅力1:約定代金50万円以下は取引手数料無料
<松井証券の取引手数料>
1日の約定代金 | 手数料(税抜き) |
---|---|
50万円まで | 0円 |
100万円まで | 1000円 |
200万円 | 2000円 |
100万円増えるごとに1000円増加 | |
1億円 | 100000円(上限) |
立会外分売の株は100株で10~20万円程度が多いので、立会外分売自体買付時は無料なため、松井証券での売却なら売却時の取引手数料も無料になります。
松井証券で立会外分売する魅力2:NISA口座で購入できて取引手数料はいくらでも無料
NISA口座は、証券会社でつくる通常口座(特定口座)とは別につくる非課税口座のことをいいます。この口座から購入した株式から得られる配当金と売却益がどんなに利益が出ても非課税になります。
<NISA>
NISA | |
---|---|
利用できる方 | 日本在住の20歳以上の方 |
投資対象 | 投資信託、株式、ETFなど |
非課税対象 | 売却益、分配金、配当金 |
口座開設可能数 | 1人1口座 (一般)NISAとの併用不可 |
非課税投資枠 | 新規投資額毎年120万円 |
非課税期間 | 最長5年間 |
投資可能期間 | 2023年まで(延長予定) |
松井証券のNISA口座は、約定金額がいくらでも取引手数料が無料になります。
立会外分売の注文時に口座の区別で「NISA口座」を選択すれば、NISA口座で立会外分売に申込みすることができます。
松井証券で立会外分売する魅力3:注文時間が長い
松井証券の立会外分売は、17:00から8:30まで注文することができます。ぎりぎり8時半まで悩むことができます。
また、スマホからも注文でき、立会外分売の情報をスマホ向けサイトでもお知らせしているので注文し忘れも防げます。
松井証券で立会外分売する魅力4:反映がどこよりも早い
抽選結果、約定反映を9時までにしてくれます。他社証券が9時前後、9時以降としているのと比べるとどの証券会社よりも早く売却注文を出すことが可能になります。
また9時までに反映されることで、9時の寄り付きに間に合わせることができます。
松井証券で立会外分売する魅力5:サポートが充実
松井証券はHDI-Japan主催2020年度「問い合わせ窓口格付」10年連続最高評価を受けており、インターネット専業証券で唯一です。
インターネットが苦手、立会分売についてよく分からない方でも安心のサポート体制で、電話やリアルタイムチャット、メールで気軽に相談することができます。
さらに、リモートアクセスにより松井証券のオペレーターが同一画面を見て、実際に赤字マークや矢印を示しながら教えてくれるサービスも好評です。
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