インド株に直接投資はできる?BSESENSEXで見るインド経済実情。インドETFへの投資がおすすめな3つの理由
BRICS(ブリックス)と呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカは目覚ましい成長を遂げましたが、最近のその成長力には陰りが出てきています。しかし、今インドと中国は生産力と人口を背景にまだまだ成長を続けそうです。
2020年現在、各国の名目GDPランキングは1位米国、2位中国、3位日本となっていますが、2034年予想では1位中国、2位米国、3位インドとなり、中国とインドは日本を超える経済大国となりそうです。
今回は、人口増加がめざましく、消費力の強い労働人口は大部分を占めるインドについてご紹介します。
インド経済の特徴
インドの人口は約14億人と世界第2位になっており、一人っ子政策が行われている中国を2027年には追い抜き第1位の人口となりそうです。
また、その人口は労働人口の比率が高く、今後も豊富な労働力に支えられ、かつ大きな消費が原動力となり今後も経済成長が続く見通しです。\
さらに、この労働人口が所得を伸ばすことにより、1人あたりの消費が増え豊かになることで、かつて日本で東京オリンピック開催があった高度経済成長を超える経済成長がありそうです。
インドは人口が多く、人口構造に占める労働人口の割合が高いことで経済成長が期待できることはもちろんですが、インドの産業は、英語が使えてITに精通している人材が多いことからIT産業、アメリカのコールセンターなど第3次産業が半分を占めており、今後もこのような分野は伸びていきそうです。
インドの政治面においては、ナレンドラ・モディ氏が2期目の首相となり、経済改革を推し進め「モディノミクス」といわれています。
モディノミクス
・「メイク・イン・インディア」
インドを世界の製造拠点にして、製造業を発展させる。
製造拠点としてインドは停電が頻発するなどのインフラ不足、汚職が多いなどの問題があり、中国・タイが製造拠点の役割を担っていました。
そのような問題を解決するため、電力や物流、通信網の整備や拡大を行うインフラ整備、労働法や土地収用法を見直し、ビジネス環境を改善し、外国企業を積極的に誘致しています。
その結果、豊富な労働力を抱えるインドは、雇用が生まれ消費が拡大し、製造業の発展により輸出が増えることになります。
・破産法・改正法案成立
インドになる複数の破産法を一本化することにより、破産手続きをシンプルにして破産処理を短期化させました。これにより、銀行の不良債権処理を加速化させることができました。
・高額紙幣廃止
高額紙幣は、脱税や汚職など不正な資金をタンス預金として隠して蓄財しているケースが多々あります。インドでは特に脱税や汚職が中々無くならず、経済成長のためのビジネス環境にも悪影響を与えているため、高額紙幣を廃止することで不正資金を洗浄する効果がありました。
また、タンス預金の多いインドでは、高額紙幣がなくなることで、単価の低い紙幣をたくさん保有するのは大変であるため、一定の人が銀行に預け、電子決済に移行するようになりました。
・GST(物品・サービス税)導入
インドでは、物品やサービスにかかる税金が政府と州ごとで異なる税、州をまたぐ移動に税金が課されており、モノの価格が州ごとに異なったり、州をまたぐ移動が控えられたりしていました。
税金をシンプルにして統一することにより、州をまたぐ移動を活性化させ、海外企業がインドに支出しやすいビジネス環境になりました。
貿易面では、インドは貿易赤字国です。石油を輸入して近隣諸国に石油製品として輸出しており、直近原油が下がった影響で貿易赤字は縮小するものと考えられます。
また、最大の輸入先である中国から、携帯電話などの通信機器を輸入しており、「フェーズド・マニュファクチャリング・プログラム」として、インド国内で携帯電話の使用部品の製造促進を促して、今後通信機器の輸入は減っていくでしょう。
ただ、インドの主要産業である医薬品事業で使用する原材料のほとんどが中国から輸入されているので、完全に中国依存から抜け出すのは難しいかもしれません。
なお、インドのリスクとして考えられるのがインフレです。
消費力が高い反面、原油などの資源には恵まれず輸入に頼っているため、原油価格が高騰すると物価が上昇しインフレになってしまう可能性があります。インフレになるとその分通貨の価値が下がり、物価が高すぎる故に買い控えが起こり、金利を下げたくても下げられない状況になります。
ただ近年、原油が下落していることもありインフレは落ち着いており、また外貨準備過去最高水準に増やしておりかつてのアジア通貨危機のような通貨下落が起きたとしても為替介入などで下支えする準備ができています。
直近インドでは新型コロナウィルスの感染拡大が米国を抜き、その拡大を押さえ込むことができず、工場の操業停止、物流寸断などで経済が悪化し、9月発表の4~6月期の実質経済成長率は前年同期比23.9%マイナスと過去最悪のマイナス幅となりました。
ただ、3月の急落時に織り込み済みか、インドの株式主要指数は9月現在すでに急落前の高値近辺まで値を戻しています。
インド株に日本から直接投資できる?
今後GDPが日本を抜いて世界第3位に躍り出る経済成長力の高いインド。当然、インド企業も業績が上がり、株式も上がる可能性があり,インド株式に投資したいと考えるでしょう。
しかしながら、インド株式に直接投資することができません。
インドでは、外資規制として「2000年非居住者による有価証券の移転または発行に関する外国為替管理規則」により、インドに住んでいないものがインド株式を取得することを禁止しています。
中国も同様本土の株式を非居住者が取得することは原則できませんが、一部本土株式、または香港市場を通してなら取得することができます。そしてインド株式はそういった取得方法もありません。
インド株式を取得したい場合には、インドの株式を裏付けとするADRをアメリカ市場で取得するか、インドの投資信託、ETF(上場投資信託)に投資する方法があります。
ADR(米国預託証券)
米国外の企業が米国証券市場で上場できる預託証券のことで、本物の現地株式は現地の銀行に保管されそれを担保に米国銀行が預託証券を発行し、米国株式と同様に売買することができるようにしたものです。インドのような現地株式購入に規制がある国の株式がドル建で買付できるメリットがあります。
インドはまだ新興国で株価変動が大きく、個別銘柄に投資することはリスクが高いです。また、インドの通貨はインドルピーですが、米ドルの為替リスクも負うことになります。
インド株式のADR
・ICICバンク(ティッカーコード:IBN)
インドの銀行で、インド全土に支店がある。
・インフォシス(INFY)
世界で活躍するIT企業で、アウトソーシング、ソフトウェア開発を行う。最近では、ビックデータを分析デジタルソリューション分野に注力。
・ウィプロ(WIT)
ITサービス企業で、インフォシスに次ぐ第2位の会社。
・タタ・モーターズ(TTM)
インド発の自動車メーカーで、国内2位。ちなみに第1位はマルチ・スズキ・インディア。
■投資信託
投資信託は、小口の資金を大きなまとまりにして複数株式に分散投資する金融商品です。
インド株式を投資方針にもとづきパックにしたような投資信託を円建てで少額から購入することができます。
ただ、投資信託はブラインド方式といって買付価格や売却価格を分からない状態でしか売買できません。前日相場に基づいた基準価額が1日に1回しか提示されないためで、インド株式のように変動が大きい場合、大きな利益があると考え、売却注文を出しても実際には当日価格が下落し少しの利益でしか売却できなかったというケースもあります。
■ETF(上場投資信託)
上記の投資信託が上場しているものをいい、証券取引所で株式のように売買できます。
投資信託の買付・売却価格が分からない状態で売買するというデメリットがありません。
リアルタイムの価格で売買できるため、確定した利益で確実に売却することができます。
インドに投資するならETFがおすすめですが、メリット・デメリットを理解の上投資しましょう。
インドETFの4つのメリット・デメリット
■メリット
1.リスク分散できる
リスクの高いインド市場に投資する際、ADRのように1銘柄に投資し、かつ米ドルの為替リスクまで負うことになると、その企業が大幅に下がったときの損失が大きくなります。
複数銘柄に投資できる投資信託を使うことによって、1銘柄に集中せずに分散してリスクを低減することができます。
2.株式のように売買できる
投資信託での投資をする場合1日1回提示される基準価額でしか売買できません。また、投資信託はブラインド方式をとっており、売却時に価格が分からない状態で売却しなければなりません。
少しの利益で売却するときには損をしてしまう恐れがあったり、大きな利益で売却するときでもたまたまその日に大きな相場変動があると利益が小さくなってしまったりしてしまうことがあります。
一方、ETFであれば株式のように証券取引所が開設している間はいつでもリアルタイムの価格で売却できます。利益が分かった上で売却できるため、投資信託のように予想外に利益が小さくなってしまうことはありません。
■デメリット
3.自動積立ができない
投資信託は毎月一定金額を積立し、時間分散してリスクを低減しながら投資することができます。
ETFは自動で積立することができないため、相場状況を見て売買することが必要になります。
4.運用期間中コストがかかる
ADRは取引手数料、円からドルに替えるときに為替手数料がかかりますが、保有期間中に手数料がかかることはありません。
投資信託は、小口で資金を集めて大きな資金にして、プロに運用を任せる仕組みです。
投資信託、ETFはプロに用をお任せしている分、保有期間中に信託報酬がかかります。
インドの株価指数 NIFTYとは?
ETFは、日経平均やTOPIXなど指数に連動させる投資信託がほとんどです。このような指数に連動させる運用を行うことをインデックス運用といいます。
インドで代表的な指数は、インドの30銘柄を加重平均させたSENSEX指数とインドの50銘柄、インドに上場する企業の約6割を占めるNIFTY指数があります。
日本で買付できるインドETFは(NEXT FUNDSインド株式指数上場投信(銘柄コード:1678)1銘柄のみです。NIFTY指数に連動させるインデックス運用で、価格は151円で100株単位のため15,000円前後から買付可能です(価格は2020年8月28日終値)。
NIFTYは新型コロナウィルスの影響が懸念された3月に大きく下落したモノの、現在直前の高値まで戻している状況です。
これまでは、順調に高値を切り上げながら上がってきています。
証券会社3社特徴比較
証券会社、販売会社比較
取引手数料(税込) インド株式指数上場投資信託 |
NISAでの取引手数料 | ポイント | |
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