SBIネオモバイル証券(ネオモバ)とSBI証券。名前が似ているけど何が違うの?6つの違いを解説
SBIネオモバイル証券って?SBI証券との関係は?
SBI証券は、1999年10月の証券業務の手数料自由化に伴い、証券取引をインターネットで行う層に向けてサービスを開始し、2019年に創業20年を迎え、圧倒的に高いシェアを誇っています。
40代以上の取引が多い株式取引において、20~30代の若い顧客層を開拓するため、2019年4月にSBIネオモバイル証券(以下ネオモバという)を設立しました。ネオとは、ギリシャ語で「新しい」という意味で、スマートフォンのみで取りする若年層が使いやすく、Tポイントを使って気軽に投資の第一歩を踏めるようにした証券会社です。
「投資のハードルは高くない」ネオモバの特徴
ポイントで株が買える
ネオモバなら、Tポイント1ポイント→1円として株式投資に使用できます。今まで、ポイントで株そのものを買えるサービスはありませんでした。
なお、Yahoo!ショッピングやファミリーマートなどの実店舗で貯めたポイントで株式を買うには、マイページで「Tポイント(ID連携)サービス」で利用手続きをしておくことが必要です。
株を1株から少額投資できる
株式には単元株取引制度といって、通常証券取引所を介した注文は100株単位からしか取引できないルールがあります。株価が2,000円~3,000円の株が多いため、最低投資金額が20万~30万円程度必要でした。
ネオモバなら1株から取引できるので、株価が2,000円なら最低投資金額は2,000円から株式を買えます。また、1株でも保有していれば株数に応じた配当金を受け取れます。例えば、配当利回り4%の株価2,000円の株を5株買うと、毎年配当金を400円受け取れます。
取引毎の手数料がかからない
通常株取引は取引ごとに取引手数料がかかります。
しかし、ネオモバはひと月あたりの国内株式約定金額が50万円までなら、月額200円のサービス料を支払うだけで、それ以外の手数料はかかりません。しかも、月200ポイントのTポイントが付与されるため、実質手数料なしで取引できます。
ネオモバとSBI証券の違い
ネオモバの1株から株式を購入することができるサービスは、SBI証券の「S株」というサービスを利用したものです。それでも、ネオモバとSBI証券で、大きく違う点が3つあります。
<ネオモバとSBI証券の比較>
SBIネオモバイル証券 | SBI証券 | |
---|---|---|
NISA口座 | なし | あり(S株も対象) |
Tポイント投資 | 株式投資可能 | 投資信託へ投資可能 |
手数料 | 定額制 220円(税込、月間約定代金50万円まで) Tポイントで還元 |
NISA口座での株取引手数料無料(S株は対象外) |
1.NISA口座
一番の違いとして挙げられるのが、NISA口座で購入できるかどうかです。
NISA口座とは、年間120万円の新規投資で得られる売却益や分配金にかかる税金20.315%が非課税になる制度です。
ネオモバは、NISA口座で株式を購入することができないため、利益に対して20.315%課税されます。
一方、SBI証券は1株から購入できるS株を非課税で購入できます。ただし、SBI証券で通常NISA口座での株取引は取引手数料が無料となりますが、S株には適用されないため、NISA口座で取引はできるものの、手数料がかかってしまいます。また、取引ごとに取引手数料がかかるため、少額で多数回取引すると割高な手数料がかかります。
■ネオモバ

■SBI証券

したがって、資金が30~50万円程度あり、単元株の100株単位で株取引するならSBI証券のNISA口座で取引することで、利益に税金がかからず、さらに取引手数料無料で取引できます。
これに対して、少額で投資したい方や株取引が初めてで試しに少しの金額から始めたいと考える方なら、ネオモバの方が最適です。NISA口座で購入することはできませんが、月額220円で何度取引しても手数料はかかりません(月間約定代金50万円まで)。また、月間220円の手数料は、毎月Tポイントが200ポイント付与されることで還元されます。
2.Tポイント投資
SBI証券でTポイントから投資することは可能ですが、投資信託購入に限られています。Tポイントで株式を購入したいなら、ネオモバだけです。ネオモバなら1ポイント→1円として株式購入代金に充当
することができます。1株から購入できるため、1株100~300円の株ならTポイントだけで購入することも可能です。
3.積立できる
SBI証券では株式の積立購入ができませんが、ネオモバなら1株単位で月5回まで定期積立をすることができます。株価は常に変わるので金額を指定して購入できる分の株数を自動買付してくれ、貯まっているTポイントも自動充当してくれます。
SBIネオモバイル証券のIPOについて
ネオモバは、株式を少額からスマホアプリで購入できるサービスとなっていますが、さらにIPOにも1株から申し込みできる「ひとかぶIPO」というサービスが始まりました。
IPOとは、「Initial(最初の)、Public(公開の)、Offering(売出)」の略で、未上場の株式が初めて証券取引所に上場することをいいます。
IPOの株式は、上場する前に一定期間申込期間が設けられています。どの証券会社でも買えるわけではなく、取扱証券会社で申込期間中に申込、抽選にかけられた後当選すると購入できます。
IPOの株は、まだ上場していないため当選して購入できても上場するまで売却できず、上場日から売却可能となっています。
IPOに当選して購入した価格を「公募価格」といい、売却価格がこの公募価格を上回ると利益となり、逆に下回ると損となります。
直近3ヶ月で(2019年10月~12月)見ても、IPOの公募価格で買えた人はほとんど大きく儲けることができています。
上場して初めてつく値段である初値で売却した人のうち、直近3ヶ月で(2019年10月~12月)86%が利益を出しており、1.5倍になって売却できた株もあります。
また、長期でIPOの傾向を見ても、2013年1月~2017年5月は288勝43敗7分けで、85%が利益を得ています。そして、2018年4月に上場したHEROZ(4382)は公募価格4,500円に対して初値が10.9倍の49,000円になったようにIPOは大儲けも夢ではありません。
また、初値で売却せずに持ち続けている場合でも、直近の日経平均が2万3,000円を挟んで膠着感のある中では、新興市場に上場しているIPO銘柄には資金が向かいやすく、初値をつけた後でも大きく値上がりしている銘柄も見受けられます。
このように、IPOは利益を得られやすいことから、IPOを申込すると必ず抽選があり、当選しないと買えません。IPOは人気であることから当選数に対して申込者数が多く、IPOを申し込んでも中々当選できないのがデメリットでした。そんなデメリットを解消してくれるのが、ネオモバの「ひとかぶIPO」です。ひとかぶIPOの特徴を以下ご紹介していきます。
特徴@1株単位でIPOが買える
通常のIPOは、証券取引所が設けている単元株制度により100株単位での取引となります。つまりIPOには、原則申込時に【申込株数×株価】の資金が必要となります。例えば、IPOの仮条件の株価が1,000~1,500円であれば最低申込金額として15万円を証券口座に入れておく必要があります。
一方、ひとかぶIPOなら、1株から(最大99株)申し込みできるため、仮条件の株価1,000~1,500円なら1,500円から申し込みできるのです。通常のIPOの申し込みであれば15~35万円程度の資金が必要であったため、1株から申し込みできるから、IPO申し込みの敷居が低くなります。
特徴A優遇抽選枠
ひとかぶIPOには、「若年優遇」「取引継続優遇」などユニークな抽選優遇枠があります。
「若年優遇」は、20代30代の若年層が優遇される制度です。比較的資金力のある40代50代が有利になりがちですが、これから資産形成していく必要のある20代30代を優遇してくれるのは嬉しい特典です。
そして、「取引継続優遇」は、ネオモバでの取引の継続期間が長いほど当選確率が上がります。なお、具体的にどのぐらい取引を継続していると優遇されるのかは、未公表としています。取引継続優遇というと「資金力がある人が有利なのでは?」と考えますが、ネオモバの場合は1株から少額で投資できるので、大きな資金で投資をしていなくても少額でコツコツ取引継続していれば優遇を受けられます。
さらに、ネオモバは証券サービスを開始したばかりで、他社証券と比較しても口座数もまだ少ないことから当選しやすい口座とも言えます。
特徴B簡単に申し込み可能
IPOのスケジュールは複雑です。実際ネオモバで取扱のあったBuySell Technologiesのスケジュールをみてみましょう。
<BuySell Technologies IPOスケジュール>
ブックビルディング期間(申込期間) | 12/2~12/6 |
---|---|
公募価格決定日 | 12/9 |
抽選日 | 12/9 |
購入期間 | 12/11~12/16 |
上場日 | 12/18 |
IPOで特に注意しなければならないスケジュールは、ブックビルディング期間・購入期間です。この2つを逃してまうとIPOに参加できず購入できません。その点、ネオモバはブックビルディング期間が始まる前日にメールでお知らせしてくれて、アプリではあと◯日というようにカウントダウンしてくれるので、忘れてしまう心配がありません。
申し込みは、ブックビルディング期間中に銘柄と株数(1~99株)を入れて申し込むだけでできます。
ネオモバのひとかぶIPOにあたって注意したいのが、ポイント利用と売却についてです。
ポイント利用についてですが、ネオモバは、Tポイントで株式を購入できるのがメリットですが、ひとかぶIPOの購入代金には、Tポイントを充当することができません。
次に、売却ですが、通常IPOに当選した方はほとんどが初値売却すると考えられますが、ひとかぶIPOでは初値で売却することができません。
証券取引所は単元株制度をとっており、単元株の100株単位でしか取引できません。ネオモバが1株から取引できるのは、SBI証券との相対で取引する「S株」という単元未満株取引を行なっているからです。S株は、1株から取引できますが、取引所取引と異なり、指値したりリアルタイムでの取引ができません。
<S株>
取引時間 | 価格 |
---|---|
0:00~10:30 | 当日後場始値 |
10:30~21:30 | 翌営業日前場始値 |
21:30~24:00 | 翌営業日後場始値 |
証券取引所は、祝土日年末年始がお休みになります。営業日とは、証券取引所が営業している日を指し、休みの日は入りません。そして、取引時間は9:00~11:30 12:30~15:00となっており午前中の取引を「前場(ぜんば)」、午後の取引を「後場(ごば)」といいます。つまり、「後場始値(ごばはじめね)」は午後の取引が始まったときに初めて付いた株価を指し、「前場始値(ぜんばはじめね)」は午前中の取引が始まったときに初めて付いた株価を指します。
したがって、ひとかぶIPOで当選した株は、上場日から売却することができません。最短で、上場日の初値成立日の翌日の早朝から注文が可能となるため、最短で初値成立日の翌営業日早朝から10:30までに売却注文を出せば、その日の後場始値で売却できます。
したがって、初値が付く上場日に売却することができず、上場日に買い注文が殺到して初値が付かなかったときは翌営業日も売却注文を出すことができず初値が付くまで待たなければなりません。
その結果、一番高騰が予想される初値で売却できず利益が少なくなってしまう可能性もあります。しかし、初値が高値となりその後下がり続けてしまったIPO株はもちろんありますが、初値を付けた後上がり続けその後大きな売却益を得られたIPO株もあります。
ネオモバのひとかぶIPOは、2019年11月30日にスタートしたサービスで、2019年のIPO実績は1社のBuySell Technologiesだけとなっています。
ネオモバのIPO取扱は、SBI証券からの委託となっています。SBI証券は取扱銘柄数No1で、2019年取扱銘柄数は82社で全IPO銘柄の95%を占めています。また、SBI証券は主幹事証券を2019年で7回務めています。主幹事証券とは、IPOの上場業務について主なサポートを行い、IPOの引受株数の大部分を占めます。BuySell TechnologiesもSBI証券の主幹事証券で、引き受け株数が多く、ネオモバに多くの株数を委託できたと考えられます。
SBI証券へのIPO申し込みには、単元株の100株が最低投資資金を必要になります。さらに、SBI証券は単元株ごとに乱数を付し抽選するため、当選するには、たくさんの株数を申し込む必要があります。そこで、少額でもIPOに当選したいならネオモバがおすすめです。1株毎に抽選し最大でも99株までしか申し込みできないため、少額でも当選するチャンスがあります。ネオモバは1株毎に乱数を付しての抽選となるため、できるだけ99株に近い株数で申し込みするのが当選の秘訣となります、是非チャレンジしてみましょう。
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