新興国おすすめ投資信託2選を紹介! 新興国投信のリスク・リターンの関係を解説。新興国投信は今後も成長する?

新興国ファンドの具体的な特徴

新興国とは、先進国と比較して発展途上であるもの、今後高い成長が見込める国々をいいます。生産・消費の担い手となる生産年齢人口が先進国と比べて圧倒的に多く、豊富な労働力と低い製造コストを魅力に製造業の進出が見込め、企業が進出して若年層の所得水準が向上すると大きな消費拡大も見込めます。

新興国の代表として、BRICS(「ブリックス」ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)をいい目覚ましい成長を遂げました。しかし、今後5カ国とも今までのような躍進を見せる可能性は低いものの、特にインドは生産力と人口を背景にまだまだ成長を続けそうです。

次にBRICSに続くといわれている新興国が、ネクストイレブンといい、韓国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、イラン、エジプト、トルコ、パキスタン、ナイジェリア、メキシコです。

この11カ国は、海外資本があまり入っておらず、投資による経済成長余地が大きく、人口が伸び生産性が高まる可能性がある国が多く選ばれています。

次に、先進国との違いについてみてみましょう。

新興国と先進国の違い
新興国 先進国
アジア、中南米、アフリカ等 北米、EU等
リスクリターン
リスクリターン 高い5〜10% 低い1~3%
カントリーリスク あり なし

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新興国は、先進国に比べて高い成長率と高い収益が見込めますが、カントリーリスクがあることに注意しましょう。

カントリーリスクとは、まず国が借金を返せなくなって倒産するリスクが挙げられます。国は国債を発行して借金をして政治を行っていますが、景気が悪くなり国の収入が減るなどで財政状況が悪くなり、金利が高くなり支払い利息を支払えなくなってしまったり、返済さえもできなくなると、実質破綻します。その場合、その国の通貨は大幅に下がり、その国の人々も外貨に換えてさらに通貨が下がることで、物価が上がりハイパーインフレとなります。最近では、アルゼンチンが経済破綻の瀬戸際となっており、通貨ペソが下落しています。

それに対して、先進国は自国で外貨を保有していたり、他国が逆に自国通貨を保有してくれおり、さらに通貨安の危機に落ちいれば為替介入することができる財力があるため、破綻することはほとんどないといえます。

財政状況や破綻しないかどうかを測るには、格付会社の格付を参考にすることができます。ムーディーズが出している格付の順は、安全な順から「AAA(トリプルエー)」「AA1(ダブルエーワン)」「AA2(ダブルエーツー)」「AA3(ダブルエースリー)」「A1(エーワン)」「A2(エーツー)」「A3(エースリー)」「Baa1(ビーダブルエーワン)」「Caa1(シーダブルエーワン)」という順で、Baa3以上が投資に適している投資適格といい、C以下はジャンクといわれています。

国債の格付
ムーディーズ格付 国債利回り(5年)
日本 Aaa -0.606%
アメリカ Aaa 1.632%
ドイツ A1 2.967%
中国 A1 -0.171%
インドネシア Baa2 6.594%
ブラジル Baa3 7.45%
南アフリカ Ba2 6.457%

このように、先進国の格付が高いのに対して、相対的に新興国の格付が低いことが分かります。

新興国ファンドのこれまでとこれから

先進国と新興国の経済成長率比較
地域 2013 2014 2015 2016
先進国 1.4% 1.8% 2.1% 2.4%
新興国 5.0% 4.6% 4.2% 4.7%

(参考)IMF最新見通し 2015年7月

先進国と新興国の経済成長率比較【見通し】
地域・国 2018 2019 2020
先進国 2.3% 1.7% 1.7%
新興国 4.5% 3.9% 4.6%
アメリカ 2.9% 2.4% 2.1%
日本 0.8% 0.9% 0.5%
中国 6.6% 6.1% 5.8%
インド 6.8% 6.1% 7.0%

(参考)IMF最新見通し 2019年10月

経済成長率を見るとわかる通り、過去にも高い成長率を示し、先進国が伸び悩むも特に中国・インドでは高い成長率が続きます。

もし、新興国株式に投資していれば、高い利益を得られています。日本も過去新興国として、「東海道新幹線開業」「東京五輪」「大阪万博」を経て、1970年代から1986年にかけて名目GDPは約5倍、株式投資は約12倍、通貨は約2倍(対米ドル)に上がりました。

今後も、新興国は、先進国と比較して高い成長率が期待され、投資すれば何倍にもなる可能性を秘めています。

しかし、「新興国の株式に投資したい」と思っても、新興国の株式は、ブラジルやインドのように、国の規制で日本から直接買うことができないことが多いです。また、カントリーリスクのように新興国の株式を直接買うと政治や国の状況で大きく株価が下がり大きな損失になる可能性あります。

そこで、新興国に投資するのにおすすめなのが、投資信託です。投資信託は、有望な新興国を色々な国に分散して投資できたり、1つの国の中でも色々な銘柄に分散して投資できるので、リスクを低減することができます。

さらに、投資信託をつみたてNISA口座で積立購入すると、投資信託から得られる利益(分配金・売却益)が非課税になります。

つみたてNISA概要
利用できる方 日本居住の20歳以上の方
投資対象 金融庁指定の長期資産形成に適した一定の投資信託
非課税対象 上記投資信託から得られる売却益と分配金
口座開設可能数 1人1口座 (一般)NISAとの併用不可
非課税投資枠 新規投資額毎年40万円上限
非課税期間 最長20年間
投資可能期間 2018〜2037年

つみたてNISA は、金融庁指定の長期運用に適した、購入手数料無料で、保有期間中にかかる信託報酬が低い投資信託を積み立てすることで、運用益が非課税になります。

証券会社で、新規口座開設と同時につみたてNISA口座も開設することができます。


地域別低コストファンドTOP3

投資信託には、手数料として主に、買うときにかかる買付手数料・保有期間中に日々かかる信託報酬がかかります。

そして、新興国への投資は、先進国と比較して、直接投資ができない国や中国のように通貨が直接取引できないなどの理由から、先進国への投資より信託報酬が高い傾向にあります。新興国株式が上がっても、日々かかる手数料が高ければ利益が少なくなってしまいます。そこで、コストで選びたい方に信託報酬が低い新興国に投資する投資信託TOP3をご紹介します。

ファンド手数料ランキングTOP3(楽天証券比較)

■ファンド手数料ランキングTOP3(楽天証券比較)
銘柄名 買付手数料 信託報酬 つみたてNISA
第1位 SBI・新興国株式インデックス・ファンド【愛称】雪だるま 無料 0.196%
第2位 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 無料 0.2079%
第3位 ニッセイ新興国株式インデックスファンド 無料 0.2079%

【参考】先進国ファンド手数料ランキングTOP3

■国内株式
銘柄名 買付手数料 信託報酬 つみたてNISA
第1位 iFree 日経225インデックス 無料 0.154%
第2位 iFree TOPIXインデックス 無料 0.154%
第3位 ニッセイ日経平均インデックスファンド 無料 0.154%

先進国株式

■先進国株式
銘柄名 買付手数料 信託報酬 つみたてNISA
第1位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P) 無料 0.0968%
第2位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 無料 0.10989%
第3位 ニッセイ外国株式インデックスファンド 無料 0.10989%

次に、今までの実績で選びたい方に、運用利回りの高い投資信託TOP3を挙げます。

ファンド運用利回り実績(1年)ランキングTOP3(楽天証券比較)

<ファンド運用利回り実績(1年)ランキングTOP3(楽天証券比較)>
銘柄名 運用利回り実績(1年) 信託報酬 つみたてNISA
第1位 深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型) 29.92% ×
第2位 ロシア株式ファンド 25.89% ×
第3位 UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型) 22.60% ×

【参考】先進国ファンド手数料ランキングTOP3

■国内株式
銘柄名 運用利回り実績(1年) 信託報酬 つみたてNISA
第1位 フィデリティ・セレクト・ファンド(テクノロジー) 29.32% ×
第2位 東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン 21.45% ×
第3位 日本株式・Jリートバランスファンド 18.39%

■先進国株式
銘柄名 運用利回り実績(1年) 信託報酬 つみたてNISA
第1位 イノベーション・インデックス・AI 18.32% ×
第2位 netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドAコース (為替ヘッジあり) 17.65% ×
第3位 日興UBS米国成長株式リスク・コントロール・ファンド 17.59% ×

高い運用利回りを目指すなら、国や分野に特化した株式に投資すると良いでしょう。しかし、そのような投資信託は、つみたてNISAの対象ではありません。そこで、使えるのが(一般)NISAです。

<一般NISAとつみたてNISA比較>
NISA つみたてNISA
年間投資限度額 120万円 40万円
非課税期間 最長5年間 最長20年間
投資可能商品 国内株式 外国株式 投資信託 ETF REIT   等 金融庁指定の投資信託のみで 積み立てによる投資に限定
投資可能期間 2023年まで 2037年まで

楽天証券より

新興国おすすめファンド2選

新興国株式に投資するファンドで、特におすすめしたい投資信託をご紹介します。

<新興国おすすめファンド2選>
銘柄名 基準価額 管理費用 リターン(年率)1年 つみたてNISA NISA
楽天・新興国株式インデックス・ファンド 9,603円 0.2520% 4.87% ×
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 10,165円 0.2079% 4.15%

楽天・新興国株式インデックス・ファンド

世界最大級の運用会社で、コストが低いファンドを運用している「バンガード」が運用する、「バンガード・FTSE・エマージング・マーケットETF」を投資対象としています。このETFは、中国のA株を含む全世界の新興国市場の大型株・中型株・小型株を網羅しているので、新興国の成長に余すことなく投資することができます。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動するインデックス投信で、コストを低く抑えて新興国株式投資ができるのがメリットです。つみたてNISAの投資対象になっているので、コツコツ少額で積み立てて資産形成したい方にもおすすめです。

楽天証券の豊富な新興国ファンドからお気に入りを探そう!

NISA つみたてNISA 新興国株式ファンド銘柄数 新興国債券ファンド銘柄数
211本 180本
60本 80本
× - -
32本 55本
41本 57本

新興国ファンドに投資するなら、銘柄数が豊富で、お得なポイント制度がある楽天証券がおすすめです。

つみたてNISAと比べると、非課税期間が短くなりますが、投資対象が広いのが特長です。つみたてNISA口座と(一般)NISA口座を併用することはできないため、中国やインドなど特定の国に投資したいときは、(一般)NISA口座を選ぶと良いでしょう。

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