株主優待のもらい方から受け取り手続きまで詳しく解説。ローリスクで株主優待を受け取るクロス取引とは?

株主優待を選ぶにあたって3つのチェックポイント

1.業績と事業内容をチェック
株式を保有していると、配当金と株主優待が受け取れます。配当金と株主優待は義務ではないため、【配当金0円+株主優待】【配当金あり+株主優待なし】【両方実施】【両方なし】と4通りの株式があります。この配当金と株主優待は利益を株主に還元するために行われているので、当然利益がなければ実施企業においてもなくなることがあります。

したがって、株主優待を選ぶときは株主優待のみを見て購入するのではなく、実施している株式を発行している企業の業績や事業内容を吟味してから購入する必要があります。

2.名義を分けるとお得な株かチェック
株主優待で最低取引株数の100株で何人かで投資して受け取る株主優待の価値と1人でたくさんの株数を投資して受け取る価値で、前者の方が株主優待の価値が高い時は、家族でもそれぞれ保有することで株主優待をお得に受け取ることができます。

例えば、すかいらーくホールディングス(3197)株価1,846円(2019年4月12日終値)で考えてみましょう。株主優待はすかいらーくグループで利用できる株主優待カードです。

権利月 6月末 12月末
100株以上
184,600円程度
3,000円分 3,000円分
300株以上
553,800円程度
9,000円分 11,000円分
500株以上
923,000円程度
15,000円分 18,000円分
1,000株以上
1,846,000円程度
33,000円分

36,000円分

・1人で200株保有の場合
6月末3,000円+12月末3,000円、合計6,000円分の株主優待カード

・2人で100株ずつ保有
6月末3,000円×2人+12月末3,000円×2人、合計12,000円分の株主優待カード

株主優待に投資できる資金が200株以上ある場合は、1人か複数名義で保有した方が良いのか比較してみると良いでしょう。

3.長期保有者に優遇があるかどうか

株主優待を実施する株式の中には、1年以上など長期間保有している株主に通常の株主優待より優遇する会社があります。

■大戸屋ホールディングス(2705)

保有株数 保有期間3年未満 3年以上
100株以上 2,500円食事券
精米2kg
3,000円食事券
精米2kg
500株以上 6,500円食事券
精米5kg
7,500円食事券
精米5kg
1,000株以上 13,000円食事券
精米10kg
14,000円食事券
精米10kg

このように、大戸屋ホールディングスは3年以上の長期保有株主に食事券を+1,000円する優遇があります。

よく利用している店の株主優待であれば、長期に保有して長期保有者優遇を受けるのがおすすめです。

権利確定日?権利付最終日?

「権利付確定日」は、その日の株主名簿に記載されていると株主優待と配当金の権利が確定する日のことです。

一方、「権利付最終日」は、直近の権利確定日に株主になっているための最終買付日です。
株式は、引渡に買付日から起算して4営業日かかり、権利付確定日までに引き渡されて、株主名簿に記載されているためには、権利確定日から起算して土日祝日を除く4営業日前に購入している必要があります。また、権利付最終日の翌営業日は購入しても直近の株主優待を受け取ることができないため「権利落ち日」といいます。

例えば、2019年4月末が権利確定日の場合は、権利付最終日が4月23日となります。

  株主優待権利 休場  
4/22    
4/23 1 権利付最終日
4/24 × 2 権利落ち日
4/25 × 3  
4/26 × 4  
4/27 × 土曜  
4/28 × 日曜  
4/29 × 祝日  
4/30 × 祝日  

権利付最終日は、証券会社の株主優待銘柄検索であれば表示されているので確認してから購入しましょう。

株主優待には手続きが必要な場合があるので注意!

株主優待は、待っていれば家に届きますが、中には株主のこちらが対応しなければいけない株主優待もあります。

選択式の株主優待の場合、封筒が株主に送付され、配当金のお知らせとともに複数の選択肢から株主優待を選ぶハガキがあり、選択して返送する必要があります。
例えば、マックスバリュ東北(2655)では「株主優待券」「りんご」「米と餅」「稲庭うどん」の中から選べ、セメダイン(4999)ではカタログから好きなものを選んで返信用ハガキで送ります。

現物買でしか株主優待ってもらえない?

権利落ち日のリスクとは?

株主優待は、権利付最終日の翌営業日である権利落ち日に購入すると直近の株主優待を受け取れません。また、逆に権利落ち日に売却してしまっても権利付最終日に買っていれば株主優待は受け取れます。そこで、権利落ち日は株主優待や配当金の価値分下がります。
人気の株主優待銘柄は、この値動きが顕著になり権利付最終日に向けて株価が上がっていき、権利落日に大きく下がります。 もちろん企業業績や経済全体の動きも株価に影響しますが、人気の株主優待には権利落日にさがってしまうというリスクがあるのです。

権利落日のリスクや株価変動リスクを回避して株主優待だけ受け取りたい!

株主優待の株式を現物買いすると、上記のようなリスクを伴いますが、信用取引を利用することにより、株価変動リスクを回避して株主優待だけ受け取ることができる「クロス取引(つなぎ売り)」という方法があります。

信用取引とは?

信用取引とは、現金や株式、投資信託を担保として証券会社に預けることにより、その担保の約3倍までの購入資金や株式を借りて取引することができる取引です。
信用取引の買いは、資金を借りて自己資金の3倍までの株式の買い付けをすることができます。一方、信用取引の売りは、株式を借りて売却から入ることで値下がりしたときに買い戻すことで値下がり分が利益となります。

信用取引を利用するというとリスクが高いのではないかと思われるかもしれませんが、信用取引にかかる手数料計算だけできれば、このクロス取引は、ノーリスクの株主優待をただ取りできる制度なので、手数料計算方法を理解して是非試してみましょう。

クロス取引とは?

クロス取引とは、信用取引の売りと現物買を同時・同数量・同価格で行うことにより、株式購入後の下落リスクを回避して、株主優待のみ受け取る方法です。

例えば、A銘柄を同じ価格の3,000円で現物買と信用売建100株で取引した場合の損益を計算します。(費用を考慮に入れていません)

権利落ち日の
A銘柄の値段
3,100円
(+100)
3,000円
(-)
2,900円
(-100)
現物買 +100 0 -100
信用売 -100 0 +100
損益 0 0 0

このように、クロス取引をすると値下がりしても損をしません。

クロス取引で株主優待を得るときのメリット・デメリット

■メリット
・株主優待が受け取れる
・株式の損を回避できる

■デメリット
・配当金は受け取れない
・手数料がかかる
・長期保有株主への優待は受け取れない
・値上がりしたときでも利益にならない
・一般信用取引だと証券会社に在庫がないと購入できない、一方制度信用取引だと逆日歩がかかるリスクがある

クロス取引の方法とは? 実際にどうやってやるの?

クロス取引には、信用取引を利用するため信用取引口座開設が必要です。口座開設料は無料ですが、職業条件(証券会社などに勤めていないこと)や投資経験(株式の投資経験があること)などの口座開設基準を満たしていれば、最短翌営業日には口座開設できます。

株主優待クロス取引費用かどうかしっかりと計算
必要資金として、株主優待の株式を現物買するときの資金+クロス取引にかかる手数料

クロス取引には、【現物買の買手数料+信用売手数料+貸株料+(制度信用取引の場合逆日歩)+配当金の税金20.315%】が費用としてかかります。この費用が株主優待の価値よりも低ければつなぎ売りする価値があります。なお、現物株式で受け取るはずの配当金は、信用売建のときに配当調整金として先に支払います。現物株式の配当金は源泉徴収で20.315%差し引かれた金額を受け取り、信用売建の配当調整金は100%支払うため、税金分が負担金となります。

例えばSBI証券で、権利付最終日にA銘柄(株価3,000円×100株=30万円、株主優待の価値2,000円)をつなぎ売りした場合を、計算してみます。(税込8%)

・現物買手数料→270円
・信用売手数料→180円
・貸株料(一般信用・短期)→3.9%×30万円×(2日÷365日)=64円
・(配当金100%-現物配当金79.685%)

合計514円株主優待の価値2,000円
この場合、費用より株主優待の価値の方が高いためつなぎ売りする価値があるといえます。

2.クロス取引する価値があると判断できたら、注文 権利付最終日の寄付(9:00)前に株主優待銘柄の現物株式の買い注文と信用取引の売建を同数量・成行もしくは寄付で注文を出します。(権利付最終日前でも良いですが、その分貸株料がかかります)

信用取引の売建とは、株式を借りて売却することです。株式を借りている期間、貸株料がかかります。信用取引の売建には制度信用取引と一般信用取引があります。制度信用取引の売建は貸株料率が低いですが、信用売建が多く在庫がない場合に発生する「逆日歩」がかかるおそれがあり、逆日歩はその時にならないと費用が判明しないため購入前に計算することができません。

一方、一般信用取引は制度信用取引に比べて貸株料は高いですが、逆日歩が発生することはないため、購入前に費用を計算することができます。一般信用取引は在庫がないと取引できません。また、長期と短期があり、短期は貸株料が高いですが株主優待銘柄が豊富に揃っています。

権利付最終日はこのまま保有して売買はしません。

3.翌日の権利落ち日に信用売建を現物株で現渡返済して完了 現渡には手数料がかかりません。

あとは、株主優待が来るのを待つだけです。

株主優待が目的ならSBI証券!

SBI証券は優待ライフを全力応援!「株主優待検索」

優待内容、権利確定月、つなぎ売り、最低投資金額、こだわり条件を入れるだけで、ほしい株主優待が見つかります。そして、クロス取引で利用する「つなぎ売り」の一般信用取引を条件で検索すれば、クロス取引ができる優待銘柄を見つけることができ便利です。
さらに、優待詳細を見ると優待を得るために必要な株数や長期株主優遇条件などが見れて、優待内容を写真付きで見ることができます。

クロス取引でのSBI証券の魅力

つなぎ売りで利用する一般信用取引・短期の在庫が豊富で、他に先駆けて注文できる短期の期間が最大15営業日まで可能です。その間は、貸株料がかかるため株主優待の価値と鑑みて注文しましょう。
また、つなぎ売り初心者向けに方法のセミナー動画やセミナーガイド(テスト付)とつなぎ売り日や現渡日を確認できるカレンダーも見れるため、初めてでも正しく注文でき安心です。

安心のNo1の証券会社

ネット専業証券で口座開設数第1位の口座で、初心者でも安心して取引できます。また、口座開設料・口座管理料も無料で、株式売買手数料も業界最低水準だから、株主優待目的の株式投資には最適な証券口座です。口座開設は、インターネット完結で簡単に手続きできますが、本人限定受取郵便の受取に数日かかるため、株主優待の権利付最終日には余裕を持って手続きしましょう。

口座開設数最多の大人気ネット証券会社。
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